バンコク・シーク教寺院の説明文を和訳してみる

こんにちは、くみです。

バンコクのシーク教寺院入口付近に、英語でシーク教についての説明書きがありました。

無料で食事が振る舞われるランガル(Langar:wikipedia (en) についての説明もあります。

▼シーク教寺院で頂いたご飯。かなり豪勢
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内容を知りたく、英語の勉強がてらにちょっと和訳してみました。
※ 写真の掲載および文章の転載につきましては、バンコクシーク教寺院のオフィスの了解を頂いています。

 シーク教寺院についてはこちらの記事もどうぞ:

無料の食事、ランガル(Langar)について

まず、シーク教の特徴のひとつでもある、寺院で振る舞われる無料の食事『ランガル(Langar)』。
人種が違っても他宗教徒でも旅行者でも分け隔てなく、シーク教の寺院ではご飯が無料で振る舞われます。
これは、同じインドの宗教であるヒンドゥー教の教徒がカーストが違う者と食事を共にしない、という事に対する批判だとも言われています。

説明文があったので和訳してみますね。

Langar, Sewa

Langar is the sitting together in a row to partake food from a common kitchen, regardless of caste, creed, sex, age or social status. It is customary for diners in the Guru ka Langar to sit side by side in a Pangat or row. Langar symbolizers selfless service, love and brotherhood among the Sikhs.

(ランガル(Langar)は一列に一緒に座り、共通の調理場から、カーストや信仰、性別、年齢や社会的地位に関係なく食べ物を共にする事である。"Pangat"か列に並んで座る事はthe Guru ka Kangarでの食事の際の慣習である。ランガルはシク教徒の間の無私の奉仕や愛、友愛を象徴化するものである。)

  • partake:(食事などを)共にする
  • creed:(宗教上の)信条・信仰
  • customary:慣習

creed…ここ進研ゼミDuo3.0でやったところだ!

creedという単語は、Duo3.0のSection1の

You should be fair to everyone regardless of national origin, gender, or creed.
(生まれた国、性別、信条に関係なく、誰に対しても公平でなくてはならない。)

でも出てきました。
馴染みがなくなかなか覚えにくかったのですが、これで忘れなくなったかなー。regardless ofもこれでばっちりですね。

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2行目のside by sideは副詞句なのでrowの並列関係にあるのは構造的にPangatだと思うのだけど(in a Pangat" or "in a row")、Pangatってなんだろう、という…
 Women in Sikhism - Wikipedia, the free encyclopediaには"pangat (eating together)"とあるので、『一緒にまたは列になって並んで座る事は』という事かなあ。ちょっと意味が取りづらかったです。
the Guru ka Kangarは多分固有名詞なのだろう…(Guruは宗教的な指導者ですね)

確かに『カースト(Caste)に関係なく』と明言されていますねー。他宗教徒でも関係なく一緒にご飯食べよう、というのも寛大ですね。(仏教の瞑想修行もそうですけど)

Sewa(奉仕すること)

Sewa, Simran

Sewa means to render service. It is the touchstone of Sikhism. The service of any needly person by means of body, mind and wealth has been regarded as true service. Service of Humanity is the service of God.

("Sewa"は奉仕するという意味です。シーク教において、真価が試される事です。どんな人の身体や精神、富を使った奉仕も真の奉仕として試されています。人類の奉仕は神の奉仕です。)

  • render:(奉仕・援助を)する
  • service:奉仕

Sewa… 『世話』と発音が同じなのは偶然なのだろうか。
人による他者への奉仕が神の奉仕であると定義されているんですね。フリーミールなんかもこの思想から来るんだろうなあ。

needlyってどの辞書を調べてもなかったのですが、なんだろう…

Fateh(シーク教の挨拶)

Fateh, Nitnem, Kirtan, Jaikara, Dasvandth

Sikhs, on meeting greet each other with Fateh, it is a form of Sikh Salutation.
Waheguru Ji Ka Khalsa, Waheguru Ji Ki Fateh.
The Khalsa is the Lord's own: To the Lord is the victory.

シーク教徒の挨拶のようですね。(Fateh - Wikipedia, the free encyclopedia 2行目を唱えるのだろうか。

神の栄光を称えるという事なのかな。どんなふうにするんだろう。聞いてみたいけどまずFatehが発音できないという…(;´Д`)

Dasvandth (Tithe)(教徒による収入の献上)

Giving ten percent (10%) of one's earning for righteous way is a law of Sikh religion. Poor man's mouth is Guru's golak (coffer).

(正当な方法で得た収入の10%を差し出す事はシーク教の戒律である。貧しい人の口はGuru(指導者)の貴重品箱である。)

  • righteous:正当な
  • law:宗教上の戒律
  • coffer:貴重品を入れる箱

収入の10%を貧しい人たちに分け与えるということですね。フリーミールもそこから実現してるのだろうか。すごい奉仕の精神だ。

Kirtan(神への奉仕としての音楽演奏)

Kirtan is a specific feather of Sikh worship. It means singing the scripture compositions in traditional musical measures. It is the commonly accepted mode of rendering devotion to God by singing His praises. According to ”Sikh Rehat Maryada" only a Sikh may perform Kirtan in a congregation. Sikh should listen to the Gurus teachings through Kirtan, make them the basis of one's life and this is the real listening of the Kirtan.
  • worship:崇拝
  • scripture:聖典
  • compositions:楽曲
  • devotion:献身
  • congregation:宗教上の集まり

段々訳すのが辛くなってきたので、解説だけ。
バンコクのシーク教寺院では2階でフリーミールが振る舞われています。そこでは音楽と歌がどこからともなく流れてくるのですが、それは実は4階で生演奏をしているんです。あれがおそらくKirtanなのだな。
なかなか聴き応えがあるので、内容はわからないけど、寺院に行った時はいつもしばらく聞いてしまいます。あれもちゃんと宗教的な意味のある事なんだ。

英Wikipediaには説明がありました。

Kirtan - Wikipedia, the free encyclopedia  

Sangat(教徒による集まり)

Armit, Sangat

It is an assembly of the devotees in the presence of Sri Guru Granth Sahib, where the praises of Almighty, Kittan of Gurbani and contemplation upon the Name of God is done. There is no discrimination of caste, Creed of highlow in the Sangat. It is applauded as a means of moral and spiritual uplift. It is as well a social unit which inculcates values of brotherhood, equality and Sewa.

うん…固有名詞がまじると辛い…

(SangatはSri Guru Granth Sahibの側で帰依した人の集まりであり、全能のKittan of Gurbaniの賛美と神の名の元での黙想が行われる。Sangatにはカーストや信仰の優劣による差別はない。モラル・精神的向上の方法として賞賛されている。同時に友愛や平等性、奉仕(Sewa)の価値を説く社会的な単位でもある。)

  • devotee:帰依した人
  • contemplation:黙想
  • discrimination:区別、差別
  • applaud:賞賛
  • inculcate:思想や知識を説く

ここでもカーストや信条の平等性に言及されていますね。 
Women in Sikhism - Wikipedia, the free encyclopedia には『holy fellowship』とありました。

寺院の中を見ていてもあちこちで人々がお話をしていたりして、宗教が寄り合い的な意味合いを持っているのだなあと感じました。

 

まとめ

とにかく、カーストや信仰にかかわらず平等である、という理念が根底にあるんですね。
シーク教寺院というとフリーミールばかりに注目されがちですが、どういう思想的背景や理念からそれが実現しているのか、という事を知るのもいい事ですね。

他にも、他宗教を否定していない(ヒンドゥー教のカースト制度など、部分的に批判はしているようです)、戦争時にも敵方の女性捕虜を保護する、というような人道的な話が色々出てくるので興味深いです。英語のWikipediaは日本よりずっと情報量が多く、読むのはちょっとしんどいですが、挑戦してみようと思います。

Sikh - Wikipedia, the free encyclopedia  

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