なぜ学習する言語が英語なのか

こんにちは、くみです。

『日本人として、英語で説明する事が多い話題』の(1)でも(2)でも、ブックマークコメントで「どうして現地/他の言語ではないのか?」というコメントがついていました。
相手の言葉を学ぶという事について普段色々考える事もあり、いい機会なので私の考えを書きますね。

目次

なぜ学習する言語が英語なのか?

みっつあります。

  1. 現地語/他の言葉も使ってますよ〜
  2. 現時点で私にとって英語が時間の投資効率が一番いいのです
  3. 定住するなら、現地の言葉を先に学んだほうがいいかも

 1.現地語/他の言葉も使ってますよ〜

英語を使える=他の言語を学んでない ではないですよ〜

そもそも前提が誤っている。『Aを使っている=Bを使っていない』ではなくて、『Aを使っている∩Bを使っている』の集合もありますよね。
私が英語を使っているからといって、すなわち他の言語を使っていないという事ではないですよ〜。(英語に比べて用途やシーンがかなり限られますけど)
ベトナム語とか短い期間だけどお金払って習ってたよ〜。なぜ『英語以外の外国語を学ぼう・話そうとしない』みたいに決めつけられにゃならんのだ…。

まあ、私自身、

  • バンコクにもう何年も住んでるイギリス人男性が挨拶レベルですら全くタイ語覚えず英語で通してたり
  • フィリピンに嫁探しに十何年も通ってる日本人男性が未だにタガログどころか英語も全然話せなかったり

するのを見て苦々しく思ったりはするので、そういうの言いたくなる気持ちはすごく分かりますけれど(´ー`;)
(まぁ彼らの場合母国語を使ってるだけなので、ケースとして『英語だけを学ぶ』とは違いますけど…)

※ あ、私の友人の名誉のために付け加えますと、私の知人にタガログ語を学んでいるアメリカ人もいるし、タイ語を話せるイギリス人もいます。
英語が共通言語化しているので、英語が母国語の人が油断しやすい・必要性を感じないみたいな状況と傾向はあるかもしれないけど、だからといって英語のネイティブスピーカーが英語以外を学ぼうとしない、という事はないです。当たり前だけど人と状況によります。

相手の言語を学ぶことは相手の背景を尊重すること

人間、自分に関心を持ってもらえるというのは嬉しいですよね。
こういう異なる国の人が集まる場では、その延長で、自分の国に関心を寄せられるのも同じ理由で嬉しくなります。相手もおんなじですよね。

つねづね『相手の言葉や歴史を学ぶことは、相手の文化や背景を尊重すること』だと感じています。
次の『日本人として、英語で説明する事が多い話題(3)』にも少し書こうと思っていましたが、できる範囲に限界はあるけど、ある国を訪れる前に「こんにちは/ありがとう/どういたしまして」のような簡単な挨拶や、「おいしいです/いくらですか」のようなよく使う表現を覚えたり、相手の国の歴史上大きな出来事や相手の国と日本との歴史を少し調べておいたりするのはコミュニケーション上とても良いと思います。何カ国も回っていると大変だけど…

前にベトナムでベトナム人の女の子と日本人の男の子と3人でお茶してた時に、日本人の男の子が「ホーチミンって何?」と言い放ってベトナム人の女の子の顔色が変わったことをよく覚えています(笑)。*1
ベトナム来るならBac Ho(ホーおじさん)くらいは一般教養として知っていても良かったんじゃないか〜、ベトナムの歴史ちょっと調べたら必ず出てくるよう〜。

これも場合によりけりで、例えば現地に友だちがおらず、観光地を日本人のグループ(家族とか友達とか恋人とか)で旅行するだけで、現地の人と話すのは何か買う時やタクシーに乗る時だけ、というような場合は、そんなに現地の人と話をする機会もないので覚えていく必要性はあまりないでしょうし…歴史は知って行った方が旅は楽しくなるけど。

私の東南アジアの言語

ちなみに私の東南アジアの言語状況はこんなかんじです〜

ラオス

こんにちは(サバイディー)、ありがとう(コプチャイ)のみ。タイから行くとどうしても「サバイディーカー」とか言ってしまいます…(間違いです)

私が訪れたところは観光地で、外国人相手に商売をしているラオス人以外の地元民とは知り合わなかった…まあ10日くらいの小旅行だったので…
ラオス焼酎がラオラーオという名前でかわいい。(làw láaw、「ラオス(láaw )の酒(làw)」かな?)

タイ

こんにちは(サワディーカー)、ありがとう(コップンカー)、気にするな(マイペンライ)、いくらですか(タオライカー)、お勘定お願いします(ケップタンドゥーワイカー)、これをください(アオ/コーアンニーカー)、おいしいです(アローイカー)、おいしいね(アローイナー)、辛くしてください(アオペッカー)、少しだけ辛く(ペッニノイカー)、甘くしないでください(マイワーンカー)、日本、等の表現+999までの数。滞在期間が長くなってきたので本当はもうちょっと勉強しないとなのだが(つД`) タイは読み書きが鬼…

マレーシア

ありがとう(テレマカシ)、どういたしまして(サマサマ)、ようこそ(セラマッ ダタン)、おいしい(セダップ)のみ。前にも書きましたが私の知り合ったマレーシア人はみんな英語上手でした…
マレーシアは多民族国家なので、それぞれのコミュニティ内では中華系マレーシア人は中国語(マンダリン)、マレー系マレーシア人はマレー語、インド系マレー人はヒンディー語を話していたりするのかな。もしかしたら、だから英語が共通語として上手になったりという事情があったりするんだろうか…?今度マレーシア人に聞いてみよう。

ベトナム

3年くらい前に、東京で3ヶ月ほど社会人向けのベトナム語教室に通いました。文章の組み立てや形容詞くらいまで学習したのですが、すっかり忘れている(´・ω・`)

当時、習った内容の範囲で各品詞を入れ替えて文を作成することはできましたが(例えば『これは赤いです』を『これは長いです』に言い換えたり「私は遊びたいです」を「私は走りたいです」と言い換えたり)、とても自分が言いたいことを自由作文できるまでには至りませんでした。

またベトナム語は中国語と同じで発音がとても難しいので*2、頑張って『Em ten la Kumi. Em la guoi Nhat.』*3(私の名前はKumiです。私は日本人です)とか言っても『…?(´・ω・`)??』みたいな反応が返ってきて心が折れたりしますorz

フィリピン

タガログとセブアノと両方単語レベルで色々といくつか覚えたのですが、文章の組み立てまでは行きませんでした。みんな英語上手なので必要性が薄まるんですよね(;´Д`)

ちなみにフィリピンの国として統一された言語はなく言語が分断しているので、例えばマニラ人とセブ人が話す時はお互いの言葉がわからないのでフィリピン人同士でも英語で話したりしてました。(一応国語はタガログを元としたフィリピン語*4という事になっています。Wikipediaによると代表的な8言語を含めて100くらい言語があるらしい)

 

私は自分が訪れた土地をメインに言葉を調べており、東アジアにまだ行っていないので韓国語や中国語は弱いです。

中国語は「你好」「好吃」「謝謝」「干杯」「我是日本人」くらいですね…しかも発音が超難しく、「我是日本人」は全然通じません(;´Д`) 是(シー)と日(リー)が全然違うみたい…。私は「好吃」を発音できるけど、ニュージーランド人は全然できませんでした。
あと中国でも地域によって言葉が全く違うので、マンダリンできれば中国人みんなと話せるというわけでもないだろうし…
他のエントリに書きましたが、中華系の人とは筆談お勧めです。「この漢字意味分かる?」「分かる!」みたいな感じで盛り上がります。

2.現時点で私にとって英語が一番時間の投資効率がいいのです

バックパッカーが集まっている場で敢えて英語以外の言語を使う必要性のなさ

つか韓国人や外にいる中国人はみんな英語上手ですし、例えばトルコ人とイタリア人と中国人が英語で談笑しているところを想像してみて欲しいのですが、そこで敢えて誰かが中国人だからって中国語で話しかける必要性ってあんまりないんですよね。中国を訪れているならそういう機会も増えると思うけど…

多分相手の言葉でカタコトで「コンニチハ」とか「ワタシノナマエハKumiデス」とか言っても、一瞬ネタにはなりますがそのあとは英語の会話になります。そこから先喋れなかったら輪に入れないので…、やっぱり英語は必要だと思います。意思疎通できないと仲良くなるの難しいよ(無理ではないですけど)。

とはいえ、私も「コンニチハー」と言われるとうれしいので、「Hello」と「Thank you」くらいは色んな国の言葉で言えるようになるといいんだろうけどなあ。

英語はアメリカ人やイギリス人のものではなく、共通語化している

ここ半年くらいふらふらしている中で会った人たちの国籍は、

中国、韓国、香港、台湾、トルコ、フランス、イギリス、オランダ、アメリカ、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、イタリア、ドイツ、スイス、スロベニア、マセドニア、インドネシア、ベトナム、フィリピン、マレーシア、インド

こんなかんじです。これら全ての国の言葉を「カタコトでも話せる」レベルにするのは結構大変なんじゃないかなあ…私には東南アジアだけでも網羅するのはちょっと大変です(;´Д`)
まして、これだけの国の言葉を自由作文できるレベルにするのは、語学の天才でもちょっと無理なのではないだろうか。

他の人にとってもそうで。だからみんな英語でコミュニケーションをとっているんですよね。別にネイティブスピーカーに合わせているわけではなく、共通語として英語を使っているというか。
例えば香港人とトルコ人2人の間でも英語で話しています。「なんでトルコ語で話さないんだ」とか「なんでマンダリンで話さないんだ」みたいな事にはならないです。

もちろん英語以外の言語、例えばドイツ留学してたとかでイギリス人がドイツ語を喋れて、それでドイツ人と盛り上がる、というのは微笑ましい良い事だと思います。やっぱり他の国の人が自分の国の言葉を学んでくれるのは嬉しいので。

他言語で自由作文できるようになるまでの壁

ベトナム語のところでちょっと書きましたが、文法や表現を習うのと自由作文できるようになるのとの間にはちょっとした壁があるなあと、ベトナム語を習った時改めて思いました。定型文ならまだしも、前回(日本人として、英語で説明する事が多い話題(2))で書いたような自由作文ができるようになるには、かなりの時間がかかると思います。熱意も必要だと思う。
英語は義務教育のおかげで既にその壁を越えているので楽なのだなと。

Lang-8でベトナム語で日記を書こうとしてもできないできない…。アウトプットはやっぱり多くのインプットを土台として成り立ってるんですよね。
添削がついても、何を直されているのかも理解できないんですよね…

相手への理解や親密さを示すために友達の国の言葉で挨拶レベルの表現を覚えるのはありだけど、それ以上となると結構な時間をかけないと(少なくとも私は)自由作文で会話ができるレベルに到達しなさそうだなと、ベトナム語を習った時実感しました。語学の天才みたいな人なら別なのかもしれないけど…(´・ω・`)、

人の時間リソースは限られているので、今は私は英語にそれを振り分ける事を選んでいます。

言語学習に対する時間の投資効率

というわけで、私の今の状況で、コミュニケーションの基本である「相手が言っていることをちゃんと理解して、自分が言いたいことを明確に伝える」を実現していくためには、今の私にとっては英語のブラッシュアップが一番必要なことだと日々実感しています。
英語が一番対象が広い(話せる人間の母数が多い)ので、時間の投資効率が良いなあと。

3.定住するなら、現地の言葉を先に学んだほうがいいかも

とはいえ、これは私のケースです。
私は今動き回っていて居る国が定まっていないし出会う人達も現地の人含め様々な国の人達で、私にとって『英語が共通語化していて都合がいい』という状況なのでこう考えているけど、状況が違えば当然解も違ってきます。
例えばこれがどこかで根を張ってビジネスをやる、タイやベトナム・ラオスに何年か住む、という事だったら話はまた別になります。

私自身、ベトナム語を習い始めた動機は2つあって、
一つが「英語が話せないベトナム人の友達と、彼女の言語でもっとコミュニケーションを取りたいから」で、
もうひとつが「ベトナムで何かビジネスのチャンスがあるかもしれないから」でした。
ベトナム語を全く話せない外国人とベトナム語を話せる外国人だったら、自分がベトナム人だったらどちらの方に心を開きやすいか。答えは決まっていますよね。
現地の人と親しくならないとできない事ってたくさんあると思います。言葉だけがその手段ではないけれど、手段として大きいものの一つであることは否めません。

また、例えばフィリピン人の女性と結婚したい、という場合も、彼女の田舎に行ってその人がそこの言葉(タガログやセブアノ、イロンゴ等)を話せるか話せないかで、結婚相手として親族に受け入れられるかどうかというのは全く変わってくるんじゃないかと思います。心証の問題というか… 日本でもそうですよね。

マラッカで海外ノマド女子のなほこちゃんに会った時も、彼女は中国語を話せるので中華系マレーシア人の人たちはそれを聞いて喜んでいて、すごいなあーと思いました。

そういう意味では英語は「話せてあたりまえだけど、そういう喜びは薄い言語」なのかもしれません。(確かにネイティブスピーカーもこちらに対して「英語が話せて当たり前」と思っている、と感じることもあるにはあるし…)

なので私も、もしどこかの国に定住することになったら、改めて現地の言葉の学習を始めたいなと思っています。多分ベトナム語かタイ語じゃないかなーと思うんだけど…

まとめ

  • カタコトでも相手の言葉で挨拶できたらそれは素敵だと思う
  • まず共通語としての英語で、相手の言う事を理解し自分の考えを自由に表現できるようになろう。話はそれからだ
  • どこかに住むならそこの言葉を学ぼう

というところでしょうか。

これからオランダ人の美形兄妹+妹の彼氏と宅飲みしてきます〜!
ではでは〜

 

▼ベトナム語はこれで勉強してました。

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▼指さしシリーズは発音を確かめる時便利ですよね。ベトナム語は机上で勉強しても喋ったら全然通じないからなあ(;´Д`)

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*1:彼女は愛国者で、ホーチミンさんの事を本当に尊敬していたので。ベトナム人はほぼそうなのかな。タイ人にとっての国王のようなものなのだろうか

*2:中国語もベトナム語も声調によって意味が全く異なってきます。中国語は4種類、ベトナム語は6種類の声調があります。またベトナム語は母音が12種類もあります><

*3:ベトナム語は性別と相手との年齢差によって人称代名詞が変わります。Emは年下の女性に使います。相手の年がわからない場合はへりくだって自分に対して年下用の人称代名詞を使うのが一般的です。

*4:”1987年に成立した憲法において初めて国語を言い表すのに正式に採用された新言語である。実質的にはメトロマニラを中心として話されている地方語のひとつである『タガログ語 (Tagalog) 』を基にして採用された言語である。” フィリピン#言語 - Wikipedia : http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%83%94%E3%83%B3#.E8.A8.80.E8.AA.9E